ABOUT DRAWING PROCESS 引抜き加工とは

引抜き加工とは、金型から金属を引抜いて伸ばす特殊加工技術です。金属の塑性(一度力で変形させると、元に戻らず変形し続ける特性)を活かした手法であり。切削や研磨とは異なり、素材を削ることなく複雑な形状に加工できることが特徴。
ステンレスなど、高価な金属素材でもロスを抑えられるため、低コストでの加工が可能です。

PROCEDURE OF AZMAX アズマックスの引抜き技術

アズマックスは、70年以上にわたり引抜き加工を通じて、「異形みがき棒鋼」などの製造を続けてきました。長年さまざまな鋼種や、複雑な形状の加工に取り組んだ経験を有しており、国内随一の引抜き技術を確立しています。半導体、産業機械、電力、自動車、医療、建設など、幅広い業界の製品に、アズマックスの引抜き品が用いられています。

またアズマックスでは、引抜き加工の中でも「冷間引抜き」の手法を採用。冷間(常温)での加工であるため素材の強度を低下させることなく、熱間(高温)での加工と比較してもさらに高い寸法精度を実現できます。また工場には、引抜き前に荒形状をつくる熱間圧延の設備も有しており、より加工のリードタイムが少なく、複雑な形状にも対応することが可能です。幅広い鋼種や、複雑な形状にも対応いたしますので、まずはお問い合わせください。

PULTRUSION for SDGs 引抜き加工を通じたSDGsの実現

アズマックスでは引抜き加工での製造を通じて、2015年国連サミットにて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献に取り組んでいます。引抜き加工は金属素材のロスが少ないため、環境保全の推進に直結する金属加工手法。
限られた素材をムダにすることなく、新たな産業基盤をつくる金属製品を生み出せるほか、発生したロスの廃棄に伴う環境負荷なども軽減することが可能です。地球への負荷が少ない金属加工手法を通じて、持続可能な地球環境を実現します。

FEATURES 特徴

FEATURE01 削らない加工で、素材のロス率を抑えコストカットを実現。

引抜き加工は、金型を通すことで金属素材の断面形状を変形させ、素材全体を伸ばす加工です。
そのため断面形状を削って変化させる切削加工と比べると、材料のロス率を非常に少なく抑えることが可能です。

例えば、「φ30mm×4,000mm」の丸素材での引抜き加工の場合。金型を通ることで断面積は減少し、素材は「7,040mm(加工前の1.76倍)」の長さにまで伸ばされます。また素材のロス率も約5.7%に抑えることが可能。通常の切削加工と比べると、長さは約3m分多く製品化でき、素材全体の約40%の素材ロスを防げます。

※上記ロス率は一例です。製品形状により数値は前後します。

FEATURE02 寸法精度が良く、均一性に優れた加工が可能。

引抜き加工では、金型を通すため直径の寸法精度が特に高く、「±0.05(一般公差)」の寸法公差を実現可能です。
特に引抜き製品1本に対する長さ方向の均一性に優れており、「±0.005(一般公差)」の寸法公差となります。

FEATURE03 仕上がりは光沢のある表面肌で、各種強度も向上。

引抜き品は金型との摩擦により、光沢のある美麗な表面肌に仕上がります。また塑性変形による加工硬化により、各種強度がUP。
特に引っ張り強度が格段に向上します。